生活の基礎訓練を見直そう(1)

 最近の高校生の傾向として「生活を支える基礎的な能力の訓練ができていない生徒が増えてきている」という声をよく聞きます。例えば,「忘れ物が多い」「スケジュール管理が苦手」「寝る時間・起きる時間などの生活リズムを作ることができない」「身の回りの整理整頓ができない」などです。

 「子どもの教育」と聞くと「勉強」をイメージしがちです。つまり「概念を操作する能力」の訓練というイメージだと思います。もちろんそれは重要な要素で す。しかし,よくよく考えてみると,私たちが社会生活を営む上でまず必要になることは,先にあげたような生活に直接かかわるような能力ではないでしょう か?最も基礎的な読み・書き・計算ならば日常生活に直接必要となりますが,高度な数式を操る能力は必要ではありません。家庭生活のみならず職業生活におい てもそれは同じだと思います。したがって,その部分の能力が年齢相応に身についていないことになると,大人になってからの社会生活において大変な苦労をす ることになると思われます。

 このような生活を支える基礎能力の訓練が有効なのは,特に幼児期から学童期にかけてです。近年このような生活を支える 基礎能力が低下しつつあるということは,その訓練をするという意識が親世代に希薄になってきているということがあると思います。「子どもの教育」という概 念にはこの「生活を支える基礎能力の訓練」が含まれているということを再度認識する必要があるのではないでしょうか。