ひとりひとりの子どもたちを守れる学校にするために

最近中学生のいじめと自殺に関する報道が毎日のようになされています。詳細は調査中のようですが,かなり陰湿ないじめが行われていたのは事実のようです。この事例に限らず全国的に小中高でのいじめは後を絶たない状況にあります。文科省の調査では「以前より減った」という数字も出されていますが,現場レベルの実感では減ったという感触はありません。

 いじめの問題に限らず,教育問題に関する報道や記事に接するたびに疑問に思うことがあります。それは,「1学級あたりの子どもの数を減らすべきだ」という意見がほとんど出されないことです。周知の通り,日本の1学級あたりの子どもの数は,いまだに40人が標準であり,経済先進国である欧米のレベルに比べて極めて多いと言わざるを得ません。小学校低学年でやっと35人学級の導入が始まったばかりです。

 大人の組織でリーダーが明確な最少のグループが40人という組織はほとんどみられないと思います。大きくてもせいぜい十数人ではないのでしょうか。集団を維持するためには,リーダーが個々のメンバーの状態を把握し,必要な調整を行い,集団としてまとまりのある行動がとれる状態にする必要があります。社会におけるさまざまな集団の規模はそのことが可能な大きさに設定されているはずです。それが数人~十数人という単位なのだと思います。

 ところが,判断力が未熟な子どもの集団である学級はいまだに40人という人数になっています。子どもたちの社会性の発達が抑えられ,ストレスも抱えるようになった現代において,そういう子どもたちを40人も狭い教室に入れて1人の教師が指導するというスタイルで,どういう現象が発生しやすくなるかというのは考えるまでもないと思うのですが,いかがでしょうか。いじめはその最悪の現象の一つです。1人の教師が学級内のすべての子どもの状態を把握し,関係を調整することは不可能に近いと思わるからです。

 しばらくはこのテーマについて考えてみたいと思います。

2012.7.16 豊永