最近,「他の人とともに生きている」という感覚が希薄な若者が増えた気がします。「自分はやらない。他の人がやってくれて当然」という感覚でいる若者です。学生時代はそれでも通用するかも知れませんが,その感覚の延長で社会人になってしまったら,まずやっていけなくなるでしょう。

 言うまでもなく,私たちはそれぞれが社会的な責任と義務を分担し,果たすことで社会を維持しています。社会が維持されているからこそ,また個々人がその恩 恵にあずかることができるわけです。したがって,社会的な責任と義務を果たすことができなければその人はこの社会からは落ちこぼれてしまうことになりま す。そして,このことは,知的に理解するだけでは十分とはいえないようです。小さい頃からの訓練によって身につける感覚だと思われます。

 そこでお 勧めしたいのは「お手伝い」です。特に学童期(小学校)には重要だと思います。学童期は,まだ自分自身の意思で行動する時期ではありません。むしろさまざ まな経験を与え基礎的な訓練をするべき時です。家庭生活を営む上で,必要な仕事があります。主に大人である親がそれを遂行することで家庭が維持されている わけですが,子どもでも子どもの持てる能力でできる範囲のことがあります。メインの家事が難しければ「食器並べ」とか「スリッパを並べる」とか,小学校低 学年でもできることはあります。親子で話し合って,負担させる仕事を決めて実行させてはどうでしょうか。家庭という共同生活の場において,必ず能力相応の 仕事を負担し,家庭を支えるという体験をさせることが非常に重要だと思います。

 ただ,一旦決めたからといって,子どもの意志だけできちんと続ける ことはまず難しいでしょう。親がちゃんと「見て」いて,できたら「褒める」,できなかったら「やらせる」ということを続けないといけません。簡単ではあり ません。結構な負担です。親の方が根負けしてしまいそうになることもあるでしょう。しかし,根気よく続けることが子どもの将来に大きな宝となるはずです。

 そして,義務と責任を果たしたら,「おやつ」「お小遣い」など報酬を与えてはいかがでしょうか?「仕事は無償で取り組まなくてはいけない」ということはありません。むしろ,果たした責任に対する報酬を受け取ることが,家庭の一員としての自覚を促すものと思います。

2013.5.7 豊永