LDN通信 2016年11月号

人類の有する平等の権利は、真理を希求し善を愛する権利として存在する。
それは職業的差別、性差別、権力差別等を排し、心の自由と行動の自由を保全する試みでなければならない。
人は真理の前において裁かれる存在であり、真理において生かされる存在である。
心の赴くところに己を置く権利を有する。
如何なる人も真理を求める上でいかなる障害も排除する覚悟を有する。
善を行う上で如何なる躊躇も必要とはされない。
この不変の原理は人類を貫く普遍の信条であり、人類繁栄の鍵となる観念である。
国家においても、現在の多国籍企業においてもこの倫理性が求められる。
現在世界は富の再分配をいかにするかが問題としてある。
人類普遍の福祉に元づく行動の基準が求められる。
特には企業活動における高い倫理性が求められる。人の価値をいかに再確認するかが、今問われている。
世界三大宗教においては人の価値において最大の評価を与えその教義の中に記す。
こと仏陀は菩提心の平等をその根幹として僧伽を束ねた。その精神は大乗の諸経典において再確認されている。
人間の霊性に対する理解と配慮こそが最も大切な事柄である。
それは物としての人間や機械のように消耗品としての労働力としての人間観からの脱却を意味する。
肥大化した経済は人格を凌駕していく、人は正気を失い、残酷になり無関心になる。
現在の社会が有する膨大な力を支える人間の力が試される。
人間の価値を再発見すること、霊性ある己を見出すこと、人の霊性を見出すこと、ここにこそ解決の道は見えてくる。