LDN通信 2016年12月号

文化の多様性と産業の多様性こそが人類の繁栄とその社会の活力を生む。
この多様性とまた高い倫理における統一性こそが人類に望まれることである。
自然界は実にこのことを素直に表現している。
還元論的思考でなく、システム論としてのアプローチ、構造的理解、相互の関係性における存在の分析、
そこに多様性と統一性の統合形態が生まれる。
仏教の縁起こそはこれにあたる。
人類の幸福を担保するもの、それは個々人々の心の真実であり、虚空の真実である。
それは清らかな思いで...[あ]...満たされている。このことを菩提心という。
そこから生まれる尽きぬ思いこそが慈悲である。
実に慈悲を感じそこに生きることは永遠の命を生きることである。
終わりあるこの身を超えて生きることとなる。
総ての優れたる聖者は此処に生きている。
幾多の仏も菩薩もこの中で生きている。
夜道の暗さは光にて明るく、凍える大地は太陽の熱で溶ける、人々の苦悩は仏の慈悲で癒される。
私たちはこの慈悲の心で他の人々を認め許さねばならない、己の喜びを人々に分かち与え。
他の人々の苦悩を己のごとく感じる必要がある。そこにしか真実の安心と幸福は生まれない。その時人は真の意味で孤独の牢から解き放たれる。